先日読んだ『ヒツジで終わる習慣、ライオンに変わる決断 / 千田琢哉』の中にこんな一節。
『落ち込みからの回復のスピードは、 自分自身を元気にする言葉をどれだけ持っているかで決まる。』
落ち込みからの回復力は早いほうだと思う、光回線並みに。
それは、 言葉や文章が自分自身にストックされているからだと思う。
いろんな場面で、元気をくれたり、助けてくれたり、 励ましてくれたり...
ストックされた言葉や文章は家族や仲間にもらったものも大きいが 、そのほとんどは『読書』によるものだと感じている。
その『読書』に関する本が週末に届いた。
送り主は陸前高田市の久保田副市長。
本のタイトルは『官僚に学ぶ読書術』。
久保田さんとの出会いは2012年5月の東北OM勉強会。
前置きはこれくらいにして、内容に触れたいと思う。
引用しながら、自分の感想をコメントしていきたい。
【第1章】
「私たちはなぜ読書をするのでしょうか?」
本を読まなくて自らの「経験知」を人生に生かすことができる。
ただ、ビジネス書には、 自分が何十年もかけなければ気づけないようなノウハウやスキルが 書いてある。
政治経済、歴史、 文化などの教養は自分の人生では一生かかっても経験できないよう な内容も多い。
【コメント】
読書とは、著者の知識や経験を対価を払って買う行為。
読書とは、著者の時間という命のお裾分けをいただく行為。
オラは、読む前に「いただきます」、読んだら「ごちそうさま」 と言っている^^
【第2章】
歴史を学ぶことはリアルな現実に応用が可能。
歴史にifはない。
新しい価値観の「芽」は現れている。
災害から生命・財産を守る「安全・安心」
「地方回帰・つながり・絆」
「スピリチュアル」
「社会貢献」
【コメント】
歴史から未来を読む。
思想に新旧はない。
【第3章】
世界を動かしているロジックはカネと軍事力である(北野幸伯)。
衰退の歴史は、 人生で何を軸にして生きたらいいかわからない時に、 ヒントを教えてくれるものだ(朝比奈一郎)。
戦争を扱った作品からは時代情勢や事実関係のみならず、 人間の愚かさや尊厳をも読み取れる。
【コメント】
「遙かなるケンブリッジ」という本が出てきた。
実は大学4年生の時に5ヶ月間ケンブリッジで暮らした。
帰国してたまたま見つけたのがこの本で、 自分にとってはノスタルジーをくすぐる一冊。
【第4章】
人生とは、死・病気・ 人間関係のなどの様々な試練や経験を通じて学び、 成長するための学校(学びの機会)であり、自分自身で( 生まれる前に)計画した問題集である。(飯田史彦)
胎内記憶の部分に興味をも持った。
『ママのおなかをえらんできたよ。(池川明)』
子どもの選択で両親は選ばれる。
子どもは両親(特に母親)を助けるために生まれてくる。
子どもは人生の目的を達成するために生まれてくる。
医学が発達したとはいえ、現代においても、 無事に生まれるだけでも奇跡と思えるほど、流産・死産は多い。
どうしたら人生が好転するのか?(神との対話:ウォルシュ)
「まず、人生に対する考えを変え、神である自分らしく考え、 話し、行動しなさい」
「人生は一日一日、一時間一時間、 一瞬一瞬をゆるがせにしない最高の意識の活動であり、 毎瞬繰り返される創造的な選択である。」
【コメント】
なるほど、精神世界では「死」は軽いのか。
【第5章】
私たちが思う以上に、ビジネスと家庭は密接に関連している。( 成功者の告白:神田昌典)
「心を積極的に」とは、明るく、朗らかに、 生き生きとした勇ましさで人生を送ること。(中村天風)
東北の被災地は日本の20年先の課題が凝縮されている「 課題先進地」(久保田副市長)
【コメント】
この章に出てきた自己啓発本はほとんど読んだなぁ。
そう、 読んだだけでできる気になって勘違いで終わるパターンが多い。
オラも身を持って経験してきた。
実践、そして実践。
駒崎弘樹さんは、講演を依頼したこともあって、 弘前でいろいろとお話を伺ったことがある。
「やりたいことがないヤツは社会起業家になれ / 山本繁」もオススメ。
震災の部分は、久保田さんの現場に近い視点がリアル。
徳山整備局長のような行政官でありたいと思う。会ってみたい^^
久繁さんのスローシティは切り口と視点が斬新で面白かった。
アウガは戦略的赤字施設。 公共施設部分の市民満足度は高いと思う。
商業ビルとしてみるから問題として見えるような気がする。
【第6章】
コミュニケーションを取る上で、最も大切なのは『 人の立場に立つこと』であり、対人能力。しかし、 ソフトで物腰柔らかく、 フレンドリーでありさえすればよいでいうものではない。 きちんと理論を踏まえてロジカルに話し、 経済の原理を理解してこそ、 有効なコミュニケーションが可能となるのではないか。
「やり過ぎる力:朝比奈一郎」
日本組織においては、 リーダーとマネージャーが混同されていたり、 単に先天的な素質の問題と捉えられていたりと、「 リーダーシップ」は誤解されやすい概念。 リーダーとマネージャーの対比がわかりやすい。
理論的思考だけで仕事が成り立っていないこと、 理屈だけに頼ってはいけない。なぜなら、必ずしも理論的・ 合理的でなく感情的な生き物である「人」 をよく理解した上でコミュニケーションを行わなければ、 仕事をうまく進めることはできない。(久保田副市長)
わかりやすい報告書はいずれもピラミッド構造で構成されている。 (考える技術・書く技術:バーバラ・ミント)
文章を書けるようになるための秘訣は、 文章を書く行動そのものにあるのではなく、「書き始める前」 にある。(文章は「書く前」に8割決まる:上阪徹)
読む相手を、徹底的に想像できているか。
「何を伝えたいのか」を整理し、 準備をしてから書き始められているか。
自分にとって「こういう文章こそ目指したい百点」 というものを見つけ、それに近づこうと意識しているか。
続いて、書く段階になったら次の7点が重要である。
①わかり易い文章腰、いい文章である。
②文書の技術は意識しなくていい。
③難しい用語や言葉は使わない。むしろ使ってはいけない。
④もっとも大事なことは、読み手について、 どれだけ想像できるか。
⑤「何を書くか」は「相場観」で見つけられる。
⑥「文章」を書こうとしない。話をするつもりで書けばいい。
⑦文章は、体で覚える。「読むこと」で覚える。
【コメント】
ヒト・モノ・カネ・チエ
書くために読む
自己満足に終わらない、相手のためのアウトプットとアウトカム。 それが自分にとってのアウトカムにつながるのではないか。
本の中のキーメッセージを見つけるトレーニングをする。
【第7章】
良書の判断方法は三つの基準(精読、つまみ読み、読まない)で!
本というのは、「はじめに」と「目次」 に最大のエネルギーが注がれるように著者と出版社が作っている。
「つまみ食い」、じゃなくて「つまみ読み」。
本に質問を投げて、目に飛び込む言葉を探す。
新聞と同じ読み方をする。
本との出会いは一期一会。
個人的には第6章が一番面白かった。
全体を通しての圧巻は自分の読書リストを各所にちりばめ、 それがごく自然な物語のパーツとして馴染んでいる。
自分のBOOK HISTORYを使って1冊のSTORYに仕立てている。