青森銀行は25日、県内市町村の主要統計を指数化した「2009年版青森県民力」を発表した。エネルギー関連事業の影響で六ケ所村、東通村が前回 (07年版)に比べて高い伸びを示し、核となる産業を持つところとそれ以外の市町村の格差拡大がうかがわれた。同行のシンクタンクの青森地域研究所は「順 位よりも各市町村ごとの強み、弱みを分析し、今後の発展につなげてほしい」と述べた。
青森県民力は青森銀行が隔年でまとめている。基本、産業活動、消費文化の4指数(25指標)を設定、市町村別の統計を基に、各指標の県合計を1000とし、各市町村の千分比を算出して求めた。
総合指数は青森市が219・2でトップ。次いで八戸市185・5、弘前市が143・8、十和田市が50・0と続く。上位4市は個別の4指数別にみても、同じ順位だった。
09年版の特徴は六ケ所村が前回の12位からトップ10入りし、東通村が30位から22位と大幅上昇したこと。両村は基本指数を基にした過去5年の「成 長力」(県全体の変化基準を100とする)でも、東通村が186・5でトップ、六ケ所村が159・1で2位となった。六ケ所村は総生産、地方税収入の指標 が県内4位に上昇、東通村は地方税収入額が8位で伸び率では県内トップとなるなど、ともにエネルギー関連事業が大きく影響した。
各指標別にみると、産業活動指数の農業算出額では弘前市が133・0で1位となり、2位はつがる市の71・2。製造品出荷額等では八戸市が354・8でトップ、弘前市は105・6で3位で、2位には六ケ所村が200・1で食い込んだ。
消費指数は年間商品販売額、課税対象所得額など6指標すべてで青森市が1位。1~9位を市部が占め、10位にはおいらせ町が入った。十和田市や弘前市、 おいらせ町、平川市などは商店数や売り場面積が増加し、前回に比べて上昇したが、一方で他地域へ消費が流出し、指数が低下する市町村も目立った。
文化指数は10位までを市部が占め、青森市200・1、八戸市157・4、弘前市153・2の順。五所川原市は5位、つがる市が8位、平川市が9位、黒石市が10位だった。