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2015年9月19日土曜日

「木下斉 狂犬ツアーin弘前」復習その2(まちづくりデッドライン)

復習完了、その2。

9月26日(18:00〜)開催の『狂犬ツアー@弘前「稼ぐまちが地方を変える〜失敗に学び、実践に活かす〜」』のお知らせ!
まちづくりの狂犬こと『木下 斉(きのした ひとし)』氏(http://blog.revitalization.jp/)が弘前で吠えます!

4月に読んだ2冊を復習。
今日は『まちづくりデッドライン-生きる場所を守りぬくための教科書-』広瀬 郁さんとの共著。

「まちづくり」に取り組むのであれば、2つの危機的な限界線を意識しなければならない。
1つは時間的な意味。
一刻の猶予もない。全国の8割以上のまちは今のまま続けることは難しいはずだが、カタチを作り変えて守る手段はある。

もう一つは空間的な意味でのデッドラインだ。
まち全体のうちでも、自分たちが最終的に守り抜きたいエリアはどこなのか。明確にラインを引き、その内側を守るために戦わなければならない。

現状を打ち破るために今本当に必要な物は、事業を継続的に営み、まちの経済に関わっていく人材層の厚みだ。それがなければ、まちは活性化などしない。

★原因と結果を読み解く力を持てば、課題もよく分かる
物事には必ず原因と結果の因果関係がある。更にその先にも、原因と結果の連鎖があることを理解しよう。
従来のまちづくりに多いのは、自分たちのまちと似通った課題を解決している成功事例を探し、そのまま導入するような取組だ。
たいていは「原因と結果」の関係に目を向けず、成果(=結果)だけで判断して真似してしまっている。原因と結果の関係を『自分の頭で常に考える』ということを放棄すると、課題を分析できないだけではなく、成功事例を自分のまちで再現することも困難になる。
因果関係を整理する習慣を身につけたら、まちを支えている「仕組み」を理解する必要がある。

転換点の存在に目を向ける

インフィル 躯体を残したまま設備や内装にだけ手を加えて建物を活用する改修方法に注目が集まっている。
リフォーム 経年変化に対応するための修繕工事
リノベーション 大きく手を加えて新たな価値を与えるための改修工事
コンバージョン 建物の用途まで変更して活用を図る改修工事(用途転用)

「百貨店+商店街」というかつての中心部のゴールデンコンビ<「郊外+ネット」のコンビが猛烈な勢いで優位にたっている。

ローカルの魅力って、一番地元の人が気づきにくいところでもある。それで手遅れになる。

シャッター商店街のオーナーの中には経済的に困っていいない人もいるので、その場所を放置している人もいる。
店舗はたたむが住居として使う。
他人に貸すのは気に食わないなど、感情的な理由で放置している場合もある。
空き店舗には様々な事情がある。

チェーン店
売場効率(売上÷面積)が良い。
信用力が高い。貸付の面で有利。

土地建物の所有者(不動産オーナー)
商売の担い手(ビジネスオーナー)

わざわざまちに足を運んで買い物や飲食をする消費者は、商品やサービスに加えて「空間体験」にも対価を払っているということだ。
ネットショッピングでは味わうことのできないリアルな空間での体験は、今後さらに、まちの存在意義として不可欠のものとなり、その競争力を高める鍵になっていくだろう。

駅前やメインストリートが思考してきた「大きさ」「新しさ」<路地裏で大切に維持されてきた「小ささ」「古さ」のほうが貴重になりつつある。

まちづくりに関わる人間は、隣近所でお互いにつぶし合うのではなく、敵は外にいることに気づく必要がある。さらに、今いる人たちだけではなく、新たな人たちが投資をしたくなる条件を中心部につくり、新陳代謝を起こさなければならない。これらを軽視していると、まち自体が消滅しかねない。

上の世代としたの世代の成長と衰退の2つの時代のギャップをお互いに理解する必要がある。
活性化のイメージを両方の世代が共有することが重要。
お互いを理解するためには、両方の世代を横断する格好で、まちがどう変化してきたのかを知る必要がある。

街の成長と衰退に影響を与えている4つの時期
終戦~1950年代 焼け跡からの復興・再建の時代
1960~1970年代 高度経済成長と地方分配の時代
1980~1990年代 バブル経済と、その崩壊の時代
2000~現在 人口減少などによる縮退の時代

今後は、縮小を続ける国内需要に対応し、まちをそれに合わせてどう作り変えて維持していくのかという点に目を向けなければならない。
例えば
少子化が進めば新築の住宅などは少なくなり、独りっ子同士が結婚して都市部に出ていった場合は、親の代限りで元の実家の2軒あった建物が両方とも必要ではなくなってしまう。建物につながる道路、上下水道、電気などの社会インフラの必要性も低くなり、維持費もかさんでいく。
つまり、土地も建物もインフラも、全体で必要になる「量」が今後は減り続ける。こうした逆転によって起こる問題の解決が、日本の特に地方都市で生活する人にとって重大な課題になる。
限界集落の話ではなく、普通のまちの多くが、いつ途絶えてもおかしくない状況にある。

今でこそ日本は人口減少が問題になっているが、長い歴史から見ればほんの少し前の1950-1970年代には、逆に人口爆発が問題になっていた。
現在とは逆転が起こっていることを認識し、なおかつ共有しなければ、まちの変革は難しい。古くからまちにいる人々の多くは、今の事態をまだ自覚していない。
そのため、いまだに過去の時代の経験を元に物事を判断してしまいがちだ。逆に若い世代は高度成長期を経験していないため、上の世代の意見に納得できない。現実に、そうした対立が生まれてしまっている。

困難な時代に対応するためには、まちの人間が自らを事業を営み、変革を起こしていく必要がある。そのためには「マネジメント」の視点が極めて重要になる。

バリューネットワーク
価値とお金を交換するプレイヤー間のつながりに着目し、相互の力関係や全体の構造を川やリレーのような「流れ」のあるものとして読み解く方法。
プレイヤーの間でバリュー(価値)とお金(対価)のやり取りがあって、それをあたかも川やリレーの流れのようなものとして俯瞰できるのでまち全体の構造を理解しやすくなる。
商店経営者を中心に上流に不動産オーナー、下流に消費者。

新たに商売を始める人の歯^ドルをいかに引き下げるかがまちの再生のカギ。

スモールスタートから。

時間資産に余裕のある若い人材の登用がカギ。

「自分たちのまちを、最終的にどんなふうに作り替えたいのか」というビジョンを持つことだ。
いちばん重要なポイントは、このまちでは、「誰が強いのか?」という視点。

「まちを変えたい」という主体的な思いは極めて大切だ。
まちづくり事業の特徴のひとつは、その場所から移動できないことだ。一般的なビジネスであれば、儲かる場所にどんどん移動していけばいい。しかし、街づくり事業の対象はあくまでも「そのまち」でなければならない。そうした条件の中で取組を持続するためには、まちに対する自分なりの想いが不可欠となる。
そうでなければ幾多の困難を伴い、時間もかかるまちの再生事業をやりとけることなどはできないはずだ。その「想い」をどれだけ強く持つことができるのか。人生のうちの多くの時間を費やしてでも、やり遂げようと決心することができるのか。それが問われる。

申込みは↓から〜締め切ったかも…
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